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一般社団法人 生態系工学研究会は、水域生態系を保全・復元・創出するための活動を行い、その成果を社会に役立てる研究会です。

RACESとは

目的

本研究会は、水域の生態系を保全・復元・創出するための活動を行い、その成果を社会に役立てることを目的とする。この目的に資するために、次の事業を行う。

  (1)水域環境のコンサルティング、技術開発支援、政策立案支援
  (2)シンポジウム・セミナーの開催、講師派遣
  (3)環境教育支援
  (4)若手研究者・技術者の育成
  (5)調査研究活動、水域環境の情報共有


会長のメッセージ

CEO

 生態系工学研究会は、1987年(昭和62年)に発起人代表の北海道大学名誉教授の辻田時美先生により設立され、初代会長に就任されました。辻田先生は14年間会長を勤められ、2001年(平成13年)には2代目の会長として、九州大学名誉教授の菊地泰二先生が就任されました。それから更に10年後の2011年に、設立25年目を節目として、研究会は「一般社団法人・生態系工学研究会・(RACES)」として社会責任のより重い研究会に更新されました。この年は東日本大震災が起きた決して記憶から消えることのない年でもあります。この新たな研究会・RACESの会長として2011年10月より微力ながら私が勤めさせて頂いています。大震災以来、破壊された生態系の再生から、自然と社会の大きな復興を目指してハンドルを切っていく時代となりました。ここに生態系工学研究会の目的に適った大きな役割と貢献が期待されると確信します。
  生態系工学研究会の設立における趣意書では研究会の目指す方向と「生態系工学」の定義と役割について以下のように記されています。

 『海洋・沿岸域・河口域生態系の持つ望ましい多様な機能をできる限り併存・強化されるべき手法の開発を目指して、(1) 劣化した生態系の改善と修復、(2) 望ましい生態系の積極的な創出を図るべく、生物学・生態学・化学・物理学を取り込み、有機的に総合した新しい工学、即ち「生態系工学」と称することができる技術とその応用の必要性に対応する。』

 この定義と目標に沿って、1987年から生態系工学に関する啓蒙と研究のため、シンポジウムや研究活動が多く行われてきました。特に、破壊された生態系環境を修復・再生(ミチゲーション)するため、干潟や藻場の造成と評価、海岸構造と生態系の共生に関する技術開発を推進してきました。日本に「自然再生推進法」が誕生したのは2002年でしたが、研究会ではそれを先取りして既に自然再生のため「生態系工学」を基礎として環境修復技術の研究開発と実証研究を推進して来ました。そして、「生態系工学」の理念や必要性を国や自治体の事業計画者、開発企業の技術者や研究者、海洋水産関連の学生を対象として、セミナーやシンポジウムを年2回の割合で開催して啓蒙活動を行ってきました。講師、演者には環境省、国土交通省、大学研究者、企業研究者など、その時代の先導者や注目される政策担当者や海洋に関する研究者を招き開催し多くの方々のご参加を頂き、研究会として社会貢献を果たすことが出来ました。
 一方、世界は1992年の地球環境サミット以来、生物多様性の保護と継承を推進する「生物多様性国家戦略:1995年」が大きな国際的な政策として動き出してきました。生物多様性の礎になる「生態系の多様性」を如何に保護し再生していくのか。そのために沿岸域の干潟や藻場をはじめとする生態系生息場の再生技術の開発や実証実験などの、事業に携わる関係機関への提案と助言を研究会は先駆的に行ってきました。
 これらの研究開発や評価を行う研究会の人材として、多様な分野から研究会員が集積しています。それらは、海洋生態学、水産学、水産土木、海洋資源工学、海洋環境工学、海岸工学、海洋化学、等の生態系工学研究会を構成する研究員(会員)であり、社会的には研究コーディネータであり実践者(アクター)の役割を担っている人達である。
 前述のように、この会の設立には辻田初代会長が大きな指導力を発揮されたが、先生は海洋生態学の分野から生態系の保全・修復のための工学的な技術開発への理念として「生態系工学」を具現化に貢献されました。そして、生態学の権威者である栗原康先生、水産土木の世界では第一人者である中村充先生、畑幸彦先生、廣崎芳次先生のご貢献、さらに、生態系工学を海岸工学の面から発展させた小田一紀先生、村上仁士先生の方々の熱意で研究会根幹を作られました。そして、その後を継承してきたのが次世代の研究者達である。また、現在を支えているのは、社会の第一線で活躍中の中堅、若手の研究者であり、幅広い分野を担当しており今後の活躍と貢献が期待されます。また、将来の研究会研究員を育成するため、研究会の「ジュニア会員」として関係大学に在籍する志の高い学生諸君に多く参加して頂いています。
 この研究会は発足以来、研究活動の現場として沿岸海洋、河口域、港湾域(海岸域)などの場で生態系の理解や変化、環境保全の問題をテーマとしてきました。そしてその代表的な対象海域としては、都市型の閉鎖性海域である「大阪湾」を重点的に取扱い、大阪湾の物理的な特性と変遷、水質や底質の現況と課題、生態系への影響、社会的問題等を明らかにして、大阪湾の環境再生に必要な技術開発や評価について研究を進めてきました。特に「大阪湾の再生」に対して多くの研究活動と、環境教育のなどの指導を行ってきました。その中でも「大阪湾基礎講座」を、関係行政機関や企業の技術者の方々、市民活動者、専門学生諸君らを対象にシリーズで開催しました。その講義内容をまとめて出版したのが、「大阪湾・環境の変遷と創造」(生態系工学研究会編・恒星社厚生閣出版)で、大阪湾を知る上で貴重な教科書となっています。今後も大阪湾を初めとする閉鎖性海域の環境再生と海洋生産性の確保のため技術開発や実証活動を推進していきたいと考えています。
 生態系工学研究会のこれからの活動として、先ずは東日本大震災での復興のための自然再生と沿岸域の社会システムの構築に対して貢献することです。一方では、防災と環境とエネルギーとを一つのステージにして生態系が破壊しない継続的な循環系が可能な社会形成のために先駆的な研究活動を進めて行きたいと思います。即ち、沿岸域の防災と環境との調和を図る技術開発や、海洋自然エネルギー開発と利活用に向けた技術開発、新たな水産業と海域の活用に向けた技術開発について多くの提案をして行ければと思います。
 そこで、研究会の具体的活動として、定款にも示す以下の項目に示すものです。

  1.水域環境のコンサルテング
  2.シンポジューム・セミナーの開催・講師派遣
  3.環境教育支援
  4.若手研究者・技術者の教育 
  5.調査研究活動

 最後になりましたが、「生態系工学研究会」の今後の活動に熱いご支援とご期待を頂くことを強くお願いし、本研究会に是非参加を頂いて一緒に活動して頂ければ、「生態系工学研究会」にとってこの上ない発展と成果ができるものと願っています。

                               2014年2月1日 吉日
                               生態系工学研究会  会長 上嶋英機  


概要

創立
2011年10月9日
所在地
〒591-8025 大阪府堺市北区長曽根町130番地42
会長
重松 孝昌
役員
会長以下理事3名 監事1名
支部
東京・広島
組織図
RACES組織図

公開資料

定款
一般社団法人 生態系工学研究会 定款
名簿
役員名簿.pdf
書類
貸借対照表
収支計算書
収支予算書
事業計画書
事業報告書

バナースペース

一般社団法人 生態系工学研究会

お問い合わせは,下記メールアドレス宛にお寄せください.

Mail: office@races.jp